「サステナブルなまちづくり」を実践する「KAWASAKI DELTA(カワサキデルタ)」(サステナビリティボンド第3回発行時の資金使途)
SDGs×JR東日本グループ
ESG経営の実践に向けて
サステナビリティボンド発行により、SDGs達成を資金面でサポート
JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「変革2027」のもとESG経営を実践し、事業を通じて社会的な課題を解決することで、地域社会の発展に貢献するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に取り組んでいます。今回は、ESG経営の実践に向けた、サステナビリティボンドの発行についてご紹介します。
サステナビリティボンドとは
サステナビリティボンドとは、調達された資金がSDGsの達成に貢献する事業に充当される社債(SDGs債)の一種です。SDGs債のうち、環境課題の解決に貢献するものをグリーンボンド、社会的課題の解決に貢献するものをソーシャルボンド、環境・社会的課題双方の解決に貢献するものをサステナビリティボンドと呼びます。2014年に日本国内で初めてグリーンボンドが発行されてから、多くの企業や団体が、これらのSDGs債を活用してSDGsの達成に向けた資金調達を行っています。
サステナビリティボンド発行を通じたESG経営への取り組み
JR東日本は、20年1月に国内の鉄道会社として初めて、サステナビリティボンドを発行しました。これまで計3回発行しており、JR東日本グループのSDGs達成に向けたプロジェクトを資金面でサポートしています。
具体的に、1回目(20年1月発行)は省エネ車両であるE235系や交流蓄電池電車EV‐E801系導入のための資金を調達しました。2回目(21年1月発行)は、省エネ車両に加えて「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」達成に向けて開発が推進されている再生可能エネルギー発電施設(太陽光および風力発電所)を、3回目(22年1月発行)は、地域医療に貢献するJR東京総合病院の病棟などの建て替えと、脱炭素の実現に向けた先導的な取り組みを実践する「KAWASAKI DELTA(カワサキデルタ)」を資金使途としました。
第1回発行時の資金使途である交流蓄電池電車EV-E801系
第2回発行時は、再生可能エネルギー発電施設を資金使途とした
JR東日本の長期目標や社会環境の変化に合わせ、さまざまなプロジェクトを資金使途とすることで、幅広い分野でSDGs達成に貢献しています。また、お客さま、地域・社会、投資家をはじめとするステークホルダーに対し、当社グループのESG経営の取り組みを発信することにもつながっています。
投資家への情報開示と第三者認証
サステナビリティボンドは、資金使途となるプロジェクトによる環境改善効果や社会的インパクトの公表が求められています。当社は資金使途となった新型車両の省エネ効果や、発電所の発電量などをレポーティングし、どれだけ環境・社会面へ貢献したかを当社ホームページ上で毎年公表しています。また、資金使途やレポーティング内容を定めたフレームワークは、外部評価機関からセカンドオピニオンという形で、SDGsに適合しているとの評価を受けています。
投資家からの声と将来に向けて
3回の発行を通じて、これまで数多くの投資家から投資を受け、そのうち延べ61社等の投資家がJR東日本のサステナビリティボンドへの投資を表明しました。
サステナビリティボンドを発行する中で、投資家からは当社の特徴的な資金使途への関心や、継続的な発行を期待する声を多くいただいています。また、ESG金融(※)の拡大に貢献したとして、環境省が主催する「ESGファイナンス・アワード・ジャパン(資金調達者部門)」にて、21年と22年の2年連続で銅賞を受賞しました。
※環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素を考慮した投資
21年の第2回、および22年の第3回ESGファイナンス・アワード・ジャパンにて銅賞を受賞した
こうした社外からの期待や高い評価に応えるため、今後もサステナビリティボンドを継続的に発行することで、JR東日本グループのSDGsの取り組み推進とESG経営の発信につなげるとともに、SDGs債市場の拡大に貢献していきます。
[報告者]
飯野 雅貴
JR東日本 財務部 資金ユニット
(資金調達・海外サポート)