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「びゅうプラザ」から「駅たびコンシェルジュ」へ<br>──「駅たびコンシェルジュ川崎」にみる変化

「びゅうプラザ」から「駅たびコンシェルジュ」へ
──「駅たびコンシェルジュ川崎」にみる変化

株式会社びゅうトラベルサービスは、2022年4月1日に株式会社JR東日本びゅうツーリズム&セールスに社名を変更、「観光流動創造会社」として新たなスタートを切る。それに先立ち21年3月から、それまで利用されてきた「びゅうプラザ」を順次閉鎖し、「駅たびコンシェルジュ」に転換。加えて22年3月には旅行商品のパンフレットを原則廃止した。その先陣を切ったのが川崎と秋田の店舗であった。転換から1年。どのように業務が変わったのか、「駅たびコンシェルジュ川崎」の今を取材した。

お客さまとの会話が一層増え、笑い合う場面も多くなった

 JR東日本の新たな顧客接点の機能を持つ店舗として誕生した「駅たびコンシェルジュ」。従来の「びゅうプラザ」は旅行商品の販売を主業務としてきたが、駅たびコンシェルジュでは、大人の休日倶楽部パスや訪日外国人旅行者向けフリーパス、団体旅行商品などを引き続き店頭で取り扱うものの、訪れる人々に対し、旅に関するさまざまな相談に時間をかけて丁寧に対応することが主な業務となる。加えて、講師を招いて各種セミナーや講座を開催したり、イベントなどを行う拠点としての役割も果たす。

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山形県天童市の木製家具メーカー「天童木工」製のテーブルなどを使用した店内。新型コロナウイルス感染症対策のため、開業当初より席数を減らして営業している

 その駅たびコンシェルジュは、21年3月の川崎、秋田を皮切りに、22年4月1日までの間、びゅうプラザからの転換を図ってきた。では、駅たびコンシェルジュとなったことで、この1年、どのような変化があったのか。「1号店」でもある駅たびコンシェルジュ川崎でゼネラルマネージャーを務める齋藤百合子さんに話を聞いてみた。
 「これまで旅行受付が主な業務でしたが、無駄話を好まれないお客さまもいらっしゃいました。そのため、どうしても事務的になりがちな部分もあったんですね。ですが、駅たびコンシェルジュの主目的はその名の通り、旅のコンシェルジュです。観光情報の提供はもちろん、インターネットに慣れていらっしゃらない方には申し込み方法の説明など、さまざまな面でお客さまをサポートしています。その過程で、いろいろな会話が柔らかい雰囲気でできるようになり、お客さまと笑い合う場面も多くなった、という印象があります」
 そうした中、お客さまとの触れ合いが、スタッフのモチベーションにつながっていると齋藤さんは語る。

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駅たびコンシェルジュ川崎の齋藤百合子ゼネラルマネージャー

月2回の街歩きで川崎の魅力を伝える

 店舗ごとのイベント開催も、駅たびコンシェルジュになってからの大きな変化の一つだ。店舗によって内容は変わるが、例えば川崎では散策ガイド「川崎・街歩き」を実施している。
 コースは店舗スタッフが自ら考え、企画・集客を行う。季節ごとで同じ内容を月に2回ずつ、3カ月間実施しており、これまで開催したコースは3つ。最初のコースは、駅たびコンシェルジュ開業前の休業期間にスタッフ全員で話し合って決めた、東海道五十三次2つ目の宿場である川崎宿をテーマとしたコースだった。
 「川崎駅近くの旧東海道沿いには、商店などのシャッターに当時の川崎の賑わいが分かる浮世絵が施されていたり、歌川広重が描いた『東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟』がデフォルメされてデザインされたマンホールのふたがあったりと、当時をイメージできる魅力的なスポットが多いんです」と齋藤さん。

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散策ガイド「川崎・街歩き」の様子

 他にも、市内にある東芝未来科学館で歴史と科学を楽しむコースや、川崎大師と周辺を散策するコースも企画した。22年4月からは、「川崎でぶらり芸術さんぽ」という芸術をテーマとした4つ目のコースを新設。川崎浮世絵ギャラリーや川崎駅西口の赤煉瓦倉庫跡など、アートに関係する施設をアテンドする。
 「もっとも、コース作りは私たちだけではなく、ボランティア団体や市役所の方のご協力もいただいています。コースを考える際に、参考になるお話やお手伝いもあって、非常に助けられています。川崎は観光地としてはまだ知名度が低いので、いらっしゃるお客さまに川崎のいいところをお勧めしているところです」
 この「川崎・街歩き」の参加者について聞いてみると、意外にもグループではなく個人での参加が多く、街歩きをする中で会話が生まれ、終わる頃にはすっかり仲良くなっているという。最近では、コースが変わると再び参加して下さるリピーターも増えてきた。
 「お客さまから『次は何をやるの?』といった質問をされることも増えてきました。アンケートに『楽しかった』と書いてくださる方も多く、次に何をやればいいのか考えるのは大変ですが、私たちも楽しんで企画しています」

オンラインで現地と話す、現地のイベントに参加する

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駅たびコンシェルジュの魅力の一つは、タブレット端末を介して目的地の事情に詳しい他店舗のスタッフと直接話せること。複数の店舗から旅のサポートが受けられる

 駅たびコンシェルジュの魅力の一つは、各店舗間をオンラインでつなぐことで、現地の観光情報に詳しいスタッフとタブレット端末で直接会話ができることにある。もっとも、今はコロナ禍により旅行者が激減しており、まだその魅力を十分に発揮できていないのが実状だ。
 「とはいえ、この状況も必ず良くなるときが来ます。そうなれば、当初は川崎と秋田だけでしたが、お客さまにすべての駅たびコンシェルジュと、タブレット端末を介してお話いただくことができ、現地の生の情報をご提供できます」
 この各店舗とつながる機能は、旅行情報を直接話すことだけでなく、現地駅たびコンシェルジュで開催される、さまざまなイベントへの参加にも使われている。オンラインで参加できるものならば、川崎に居ながらにして、例えば秋田の店舗や伊豆といった離れた地域のイベントにもリモートで参加できるわけだ。実際、22年春以降、東日本各地の湯守たちが代々愛情を注いできた伝統ある温泉を厳選した、びゅう商品「地・温泉」ブランドに関するイベント開催も予定されている。

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さまざまなイベントやセミナーなどの開催情報は、店内入り口付近に設けられたチラシやインターネットで告知。顔見知りのお客さまには、直接お知らせすることもあるという
▶イベントやセミナーの情報はこちらから

 「当店にも観光情報やグルメ、宿など、現地のリアルな情報が欲しいというお声をいただいています。他店舗の開業イベントなども落ち着いてくるので、今後は他店舗とセミナーをオンラインで共催するなど、川崎独自の企画を実施していこうと考えています」
 他にも、現地をより感じることができる体験型セミナーなど、アイデアはいろいろと膨らんでいるようだ。
 「この1年、街歩きやセミナーを実施する中で、改めてお客さまとの触れ合いの大切さを学びました。お客さまに感謝の言葉をいただくことも増え、私も含めスタッフの喜びとなっています。今後、ますますサービスを充実させて、コンシェルジュとしての役割を果たしていきたいですね」と齋藤さん。最初にできた駅たびコンシェルジュとして、他の店舗には負けていられないと笑う。
 駅たびコンシェルジュが今後、利用者にどのような体験をもたらしてくれるのか。実際に利用して確かめてみてはいかがだろうか。

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