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カルチャーコラム<br>料理研究家 上田淳子先生に聞く<br>料理の楽しみ方

上田淳子 うえだ・じゅんこ
料理研究家
辻学園調理技術専門学校卒業後渡欧。フランスのミシュラン星つきレストラン等で約3年間、料理修業を積んで帰国後、料理研究家として独立。自宅で料理教室を主宰するほか、雑誌やTV、広告などでも活躍する。フランスの料理情報収集とともに、日本の料理を紹介するイベントなどを開催。子どもの食育についての活動も行う。

カルチャーコラム
料理研究家 上田淳子先生に聞く
料理の楽しみ方

長引くコロナ禍で自粛生活が続き、料理をする機会が増えています。そんな状況を負担に感じる人も多いとか。食べるの大好き、作るのはもっと好きだという上田先生に毎日の料理が楽しくなるアイデアを伺いました。

その食生活はあなたに合っていますか?

 長引く自粛生活で、料理作りにストレスを感じている人も少なくありません。でも、本来料理って楽しいもの。毎日のことだから、どうせなら楽しく作りたいですよね。
 献立のマンネリ化や買い物の面倒さ...負担を感じる原因は、さまざまでしょうが、料理に直結した理由以前に、今の食のスタイルが自分に合っていないことがあげられるのではないでしょうか。
 忙しくて料理に時間をかけられない、子どもに好き嫌いが多い、スーパーが遠くて週に2回しか行けないなど、食に関する事情は人それぞれ違います。まずは自分のライフスタイルの特徴を書き出してみて、自分にフィットした食のスタイルを把握することが大事です。時間がないなら、週末に下ごしらえする、苦手な食材は栄養面で似通った代替を見つける、ネットスーパーを利用する...。自分の体形に合わない服を着ても似合わないし、ストレスになりますよね。料理も同じです。自分にフィットした食のスタイルを模索し、構築できれば、負担感なく長続きします。

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 あと頑張りすぎないこと。毎日ごちそうを食べる必要はないんです。栄養が足りていれば人間そうそう倒れません。栄養のバランスも難しく考えず、1食の食事量として、片手の炭水化物、片手のタンパク質、両手の野菜を目安にしてください。タンパク質は肉、魚、豆腐、乳製品などから摂れます。1食の目安を示しましたが、3~5日で帳尻があえば大丈夫。昨日の夜はラーメンだけで、野菜が足りないと思えば、次の日に山盛りのサラダや野菜炒めを食べるとか。くり返しているうちに頭のなかで暗算ができるようになります。これがクセになれば、気持ちの負担も減りますよ。この目安を守った食事を続けていると、体のサイクルが整い、ごはん時にちゃんとお腹がすくようになります。一番太らない食事法でもあります。
 このメソッドは、何も手作りに限りません。コンビニで出来合いのものを買ってそろえてもいいんです。しんどいときは頼ればいい。そう考えると気が楽になりませんか? そもそも料理って、何百年も前から誰かが作って誰かが食べてきたものなので、そんなに難しいことではないはずなんです。

ちょっとした下準備と新たな発想で楽しく

 簡単なものでいいとはいえ、毎食毎食一から作るのはやはりそれなりの手間がかかります。
 なので転ばぬ先の杖として、時間のあるときに野菜を切っておく。これだけ。カット野菜があれだけ人気なのは、料理で一番面倒なのが野菜を洗って切ることだからです。調理してないから、味付けはその日の気分でかえられるし、いくつか用意しておくことでバリエーションもできます。
 また、常識にとらわれない発想も大事。私は茶碗蒸しが大好きです。少しずつしか使わないのに具材の種類が多いですよね。茶碗蒸しの何が好きなんだろうと改めて考えたところ、「ふるふるの卵」が食べたいだけだった! と気づいて10分でできる「具のない茶碗蒸し」が誕生しました。

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卵と混ぜなかった余り分のだし汁を上にかけて、生姜をのせる。わずか10分で「具なし茶碗蒸し」はできる

●具なし茶碗蒸しのレシピ
(材料 2個分)
おかかパック又はかつお削り節:6グラム程度、熱湯:250ml、卵:大1個、醤油・塩:適量、水溶き片栗粉:少々、おろし生姜:適量

(作り方)
1)ボウルにおかかを入れ熱湯を注ぐ。そのまま2分ほど置き、ざるで別のボウルなどに濾す(かつおはぎゅっと押してOK)。塩ひとつまみ、醤油少々でお吸い物程度の味をつけて粗熱を取る。

2)卵をしっかり溶きほぐす。この中に1)を150ml(熱々だと卵が固まるので注意)混ぜながら入れる。卵液を濾して、器に入れホイルでふたをする。

3)器が2個入る大きさの鍋にキッチンペーパーを一枚敷き器を入れる。器の高さ6割程度まで水を入れ中火にかける。沸いてきたらごく弱火にし、鍋のふたをずらしてのせ、卵が固まるまで加熱する(7~10分が目安)。

4)残りの1)を鍋に入れ火にかける。煮立ったら少量の水溶き片栗粉でとろみをつける。3)が出来上がったら取りだし、ホイルを外す。あんをかけおろし生姜をのせる。

 この機会に料理を始めた人へは「基本以下」からのスタートをお勧めします。まずは包丁を使わないレシピから。ちくわもそのままでは料理とはいえませんが、チーズをかけて焼けば立派な一品です。素材へのひと手間で料理に変身する。まずはその楽しさを知り、さらに工夫を重ねてステップアップするとよいでしょう。

美味しいと思うものを作って食べる幸せ

 料理を楽しくするコツは、まず自分がしんどくないこと。一緒に食べる人がいれば一緒に食べること。ひとりでも、料理と会話すること、の3点でしょうか。10分でできる得意料理が10個あれば十分。それに旬を取り入れられれば最強です。
 料理に正解はありません。味の好みは人それぞれです。自分が美味しいと思ったものを作って食べる、そして食べてもらうのが、一番楽しくてそして幸せです。
 食はからだを作る基本です。ステイホームで料理と向き合う時間が増えたことを前向きにとらえ、ストレスなく楽しい料理作りを続けていただければと思います。

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