震災から10年、東北の姿を国内外に発信

　2021年4月から東北デスティネーションキャンペーン（東北DC）が開催されています。
　東日本大震災から10年、「観光の力で東北を元気に」という想いを胸に、これまで歩んできた東北の現在の姿を国内外に発信することで、多くの方に東北を訪れていただきたいと願い、今回の東北DC開催に至りました。

東北DC 観光ガイドブック

　SDGsの目標17に「パートナーシップで目標を達成しよう」という項目があり、さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会の連携を奨励・推進することとしています。DC開催のためには、自治体、企業、地元住民の皆さまなどとの連携が必要不可欠ですが、今回は6県という広域での開催であることから、連携の重要性がより高まっています。今回の東北DCをきっかけに、東北6県の官民が一体となることで、県境のない連携強化の実現が可能となり、東北を広域で周遊観光する受け入れ環境づくりやモデルコースづくりなどが進み、東北の広域な地域観光による経済効果がもたらされることが期待されています。

東北DCを応援できるTOHOKUサポーター

　東北デスティネーションキャンペーン推進協議会では、個人や団体で参加して東北DCを応援していただく「TOHOKUサポーター」の取り組みを行っています。「TOHOKUサポーター」は、「Welcome to TOHOKU隊」と「TOHOKU Fan」の2種類があり、「Welcome to TOHOKU隊」は、東北6県にお住まいの皆さまを対象に、東北DC期間中に東北を訪れた観光客に対するおもてなしを宣言し、実践していただきます。

地域内外から東北を応援する「TOHOKUサポーター」大募集中！
https://dc.tohokukanko.jp/dc-welcome/

　一方、「TOHOKU Fan」は、東北６県以外にお住まいの方が、SNSなどで東北の魅力を発信したり、実際に東北を旅行してその魅力を家族や友人に伝えていただくものです。自治体、企業、地元住民の皆さまがそれぞれの立場で域内、域外からさまざまな形で応援し、官民一体となって東北DCを盛り上げていく取り組みですので、JR東日本グループとしても会社、各職場など、いろいろな単位で参加することで、東北DCに向けた機運醸成を図っています。

経済活性化、雇用創出、地域課題の解決を目指す

　東北DCを契機とし、さらなる東北エリアの復興を加速させるため、地域価値創造による活性化の推進、および新たな形での観光流動促進策「東北MONO」プロジェクトをJR東日本グループで実施しています。
　具体的には、東北の地産品のブランド化を推進するとともに、地域と連携した産直市や食材フェアなどの開催を通して、地産品の消費を促進します。また、その顧客接点を最大限活用した地域観光情報の発信を行うことで、地域への観光需要の創出につなげます。これらにより、DC終了後も継続できるブランド化と持続可能な地域ネットワークづくりを目指します。

東北MONOロゴマーク

　この他にも、航空、船舶など異業種企業との連携により、東北エリアのさらなる観光流動促進を図っていきます。
　JR東日本グループは、東北DCを契機とした観光流動促進を行うことで、地域経済の活性化、雇用の創出など、地域の課題解決を目指します。また、東北DCを通じ、関係箇所との連携を強化し、SDGsの取り組みを推進するとともに、将来にわたる東北観光の発展の礎となる「レガシー」を築いていけるよう各種施策を進めていきます。

［ 報告者 ］
小嶋 千秋
JR東日本 営業部 観光流動推進グループ