JR東日本:and E

JR東日本東北総合サービス<br>東北に暮らす人、東北を訪れる人に

JR東日本東北総合サービス
東北に暮らす人、東北を訪れる人に"喜び"を届ける

東北6県の駅を起点として、「開発運営」「駅活性」「JR資産活用」の3領域でビジネスを展開するJR東日本東北総合サービス。駅業務やエキナカ店舗の運営にとどまらず、ディベロッパー事業から6次産業化商品の開発まで、多岐にわたる同社の事業を紹介する。

 JR東日本東北総合サービスは、1989年に設立された。設立当時の事業エリアは宮城、山形、福島の南東北3県だったが、JR東日本グループで盛岡市に本社を置いていた株式会社ジャスター、秋田市に本社を置いていた株式会社ジェイアールアトリスの2社と、2015年に合併。それに伴い、東北全域で「開発運営」(店舗運営、6次産業化商品開発など)、「駅活性」(駅業務など)、「JR資産活用」(不動産管理運営など)の3領域を柱とする事業を展開する会社になった。
 同社の企業理念は、駅を起点にお客さまに喜んでいただけるサービスを提供し、地域の発展に貢献することで魅力ある企業であり続けることだ。
 「合併に伴い、会社の愛称をLiViT(リビット)と定めました。これは、Live+Visit+TOHOKUの頭文字をつなげたもので、『東北に暮らすしあわせと、東北を訪れるよろこびを。』という当社のビジョンを表現したものです」と松木代表取締役社長は語る。
 JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」では、駅を「交通の拠点」から、「暮らしのプラットフォーム」に転換させるという方針が示されている。
 「鉄道事業、生活サービス事業を融合させながら、より多様なサービスを提供することは、当社にとっても、大切な今後の使命だと考えています」(松木社長)

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同社は、仙台駅西口前の仙台キャピタルタワー1階に無料のコミュニティスペース「LiViT GALLERY」を2019年にオープンさせている。「『東北に暮らすしあわせと訪れるよろこび』を多くの方に感じていただける、そんな想いを発信したい」と松木社長は語る

仙台駅の構内をより快適な空間に

 JR仙台駅3階、新幹線中央口改札の近くには、仙台名物の牛たんとすしの名店を集めた「牛たん通り」「すし通り」があるが、20年5月に全面的にリニューアルされた。これは数年前に駅構内を大規模改装して以来続いている「仙台駅開発プロジェクト」の一環で、東北地方最大のターミナル駅である仙台駅を、より快適な空間にするのも、同社の担う重要な役割の一つである。

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「牛たん通り」「すし通り」の壁面には、仙台名物・牛たんとすしに関する豆知識を紹介するグラフィックパネルが設置されている

 リニューアル後の「牛たん通り」「すし通り」は仙台城をイメージしたデザインが施され、壁面には牛たんやすしに関するおいしさの秘密などの情報を発信するグラフィックパネルを設置。JR-EAST FREE Wi-Fiも整備され、利便性も大幅に向上した。
 「2000年代初頭にオープンした『牛たん通り』『すし通り』は老朽化が進み、なんとなく薄暗い印象があったので、明るく開放的な雰囲気にすることを意識しました」と、プロジェクトに携わった営業本部事業開発部の平間大貴副課長は話す。

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「牛たん通り」「すし通り」の随所に宮城の伝統工芸品が展示されている

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、訪日外国人観光客の姿は見られなくなったが、国内の観光客で、入店待ちの行列ができる人気店もある。
 「誰も予想しなかったコロナ禍でインバウンドが激減したことが示すように、駅を取り巻く環境は常に変化します。また、日々老朽化していく施設は適宜更新していかなければなりません。その意味で『仙台駅開発プロジェクト』に終わりはありません」(平間副課長)

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営業本部事業開発部の平間大貴副課長

地域の事業者連携による6次産業化にも注力

 東北の産品をエキナカの店舗などで販売して地域活性化を図ることは、同社の重要な事業の一環だが、近年は地元の事業者と連携し、魅力ある産品を自ら生み出す6次産業化も推進。代表的な商品が、仙台市の水と米を使って地域の酒造会社が醸造し、店頭販売は仙台駅に限定される日本酒「仙臺驛(せんだいえき)政宗」シリーズだ。発売から10周年を迎えた20年には、「JR東日本おみやげグランプリ2020」でアルコール部門賞を受賞した。

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「仙臺驛政宗」シリーズ。純米吟醸 仙臺驛政宗は「JR東日本おみやげグランプリ2020」でアルコール部門賞に輝いた

 「関係者が一丸となってこの商品を育てようと、米農家や酒造場や私たちで仙臺驛政宗酒造り協議会を組織し、持続可能なサプライチェーンを構築しました。そのことがロングセラーとなった要因です」と、営業本部商品部の保坂明美担当課長は語る。

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営業本部商品部の保坂明美担当課長

 協議会のメンバーは毎年、田植えや稲刈り、仙台駅での新酒発表会などを行い、商品のブラッシュアップに向けたアイデアを出し合っているという。現在、宮城県産の新しい酒米を用いた「仙臺驛政宗」の新商品開発も検討中だ。
 同社は、JR東日本グループのオンラインショッピングモールJRE MALL内の「Gift Shop トライ・ワン」も運営。「仙臺驛政宗」をはじめとする東北の銘品を全国の消費者に販売している。
 「今後は売れ筋商品だけではなく、各地の隠れた逸品も扱うことで地元企業を応援できればと思っています」と話す保坂担当課長は、「将来的にはモノ(商品)だけではなく、例えば『仙臺驛政宗』の原料米の田植えへの参加といったコト(体験)の提供によっても、東北の魅力を発信できればと思っています」と、この地域活性事業に対する強い意欲を示す。

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仙台駅構内にある「おみやげ処せんだい」では、「仙臺驛政宗」が入手できる他、牛たん、ずんだ、笹かまなどの宮城県の誇る味覚が購入できる

産直市の開催などで観光流動を促進

 東北を活性化させるには、地域の産品を発信するだけではなく、全国から来訪者を呼び込む観光流動を促進することも必要である。
 東日本大震災発生から10年という節目の年に、東北地方の素晴らしさをアピールする格好の仕掛けとして機能するのが、東北6県の自治体や観光関係者とJR6社などが協力し、21年4月から9月にかけて行われている「東北デスティネーションキャンペーン(以下、東北DC)」である。
 営業本部販売企画部の引地岳雄担当部長は、「単県ではなく6県という広域で、しかも半年という長期にわたって行われるこのキャンペーンは、東北に多くの方を誘致する大きな効果があると思います」と期待を口にする。

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営業本部販売企画部の引地岳雄担当部長

 東北DCにおける同社の役割は、駅業務や商業施設の運営などを通じて、訪問された人たちをおもてなしすることと、東北の魅力ある商品を提供することであり、そうした事業を通じ、来訪者に東北の素晴らしい文化を肌で感じてほしいと引地担当部長は言う。
 同社の担当チームは東北DCがスタートした直後の4月上旬、JR上野駅中央改札外グランドコンコースで、東北6県の産品を紹介・販売する産直市を開催。JR東日本とともに期間中に駅などを利用されるお客さまに、東北に目を向けてもらう貴重な機会を創出した。

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上野駅で開催された「東北6県産直市」の模様

社員の力を結集して東北の価値を高める

 東北の未来につながるさまざまな事業を行う同社にとって、最大の経営資源は「人材」だと松木社長は考えている。
 「お客さまに喜んでいただくには、使命感を持って業務に主体的に取り組む必要があり、そうした人を当社では"オーナーシップ人材"と呼んで育成に力を入れています」(松木社長)
 事業領域が広く、多様な雇用形態の従業員が働いていることもあり、ダイバーシティも積極的に推進。より働きやすく、働きがいのある職場づくりに向けて、社内に2年間「業務改革推進本部」を設置し、テレワークの促進などにも力を入れてきた。他にも、女性管理職のキャリア座談会の実施や、全社のシステム統合など、さまざまな改革に取り組むと同時に"オーナーシップ人材"の力を結集することで、実りある地方創生に尽力したいと松木社長は言う。
 同社は今後、活気ある都市づくりにつながるディベロッパー事業にも力点を置く意向で、21年3月、仙台市・長町駅前の株式会社ジェイアール東日本都市開発が建設した複合ビルの1・2階に、商業施設「tekute(テクテ) ながまち 2」をオープンさせた。翌4月には、仙台駅1階のショッピングモール「Dila(ディラ) 仙台」のリニューアルも完了(新名称は「tekute せんだい」)。いずれも、主に地域に暮らす人たちの生活の質向上に資する取り組みである。

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2021年3月27日に開業した「tekute ながまち 2」は賃貸住宅に併設した商業施設。「ながまちライフメイキングゾーン」をコンセプトに、郵便局やカフェ、ドラッグストア、クリニックなどが入り、地域の豊かな暮らしをサポートする

 「当社には、東北という地域の活性化に貢献できるチャンスがたくさんあります。実際、東北は過疎化や高齢化など、いろいろな課題を抱えている地域ですが、社員一人ひとりが『Live+Visit+TOHOKU』のビジョンをしっかり認識しながら、東北の活性化を支える企業として貢献してまいります」と、松木社長は広い事業領域を有する同社のポテンシャルと、そこで挑戦する社員に思いを寄せた。

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