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快適なテレワーク環境の提供で狙う<br>地域活性化(群馬県みなかみ町)<br>ワーケーションのすすめ(後編)

ワーケーション合宿施設「WIND+HORN」のキャンピングエリアでは、大自然の中でオフサイトミーティングや、バーベキューなども行える

快適なテレワーク環境の提供で狙う
地域活性化(群馬県みなかみ町)
ワーケーションのすすめ(後編)

地域の活性化に繋げようと、ワーケーションの誘致に力を入れる自治体が増えている。その中でも、群馬県みなかみ町は、地域特性を活かし、四季折々の豊かな自然の中での新しい働き方を提案し、注目を集めている。

テレワークセンターが町内外の人をつなぐハブに

 群馬県みなかみ町がワーケーション施設の充実に着手したのは2017年のこと。コワーキングスペースのある「テレワークセンターMINAKAMI」と、築130年を超える古民家を改修した「猿ヶ京温泉古民家サテライトオフィス」を開設した。
 「狙いは年間約400人程度となる人口減少を食い止めることです。ワーケーションを目的に町を訪ねてくださった方に、みなかみの良さを実感してもらい、ひいては移住してくださる方を増やしたいという思いがあります」と、みなかみ町総合戦略課戦略推進室戦略推進係主任の中山文弥氏は語る。

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中山 文弥氏
みなかみ町 総合戦略課 戦略推進室 戦略推進係 主任

 みなかみ町の強みは、東京駅から最寄り駅の上毛高原駅まで新幹線で最短66分という利便性と、温泉やスキー場などのレジャー資源が充実していることだ。しかし、テレワークセンターの施設運営を委託されている一般社団法人コトハバの橋本拓海氏は、「いくら交通の便や環境が良くても、単に施設を造っただけで、ワーケーションに来られる方が増えるとは考えませんでした」と話す。

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町内の旧幼稚園を利用した「テレワークセンターMINAKAMI」は、広々とした教室を生かしたワーキングスペースが設けられている

 そのため、町外の人と地元住民との交流を図るさまざまなイベントを実施。また、地方での起業に関心がある人が訪ねてきたときには、町で起業支援を行う組織や地元の事業者をつないだり、テレワークの合間にアクティビティを楽しみたいという人には、とっておきのスポットを紹介するなど積み重ねた結果、みなかみ町をワーケーションの目的地として考える人が増えた。
 「テレワークセンターは、利用者にとって町での最適な仕事や暮らし、遊び方をご提案するコンシェルジュ的役割や、地域外の人と地域をつなぐハブの役割を担っているのです」(橋本氏)

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橋本 拓海氏
一般社団法人コトハバ 働き方改革室 推進担当 地域おこし協力隊

10日間無料で滞在できる
古民家ワーケーション施設

 一方、古民家を改修した「猿ヶ京温泉古民家サテライトオフィス」は、最大10日間の宿泊利用が可能だ。一棟貸しとなっており、利用料は無料。町にじっくり腰を落ち着けてワーケーションをしたい人向けの施設となっている。
 この古民家施設を度々利用しているTOMARUの井上昌樹氏と柳沼翔子氏に話を聞いてみた。二人は首都圏で、ビジネスパーソンを対象にコーチングを行っている。みなかみ町を訪れたのは、都会に住む人が森の中で自然と触れることで、自分を見つめ取り戻していくというリトリート事業に取り組むことが目的だ。

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地域の歴史や文化が感じられる「猿ヶ京温泉古民家サテライトオフィス」。この施設を利用するTOMARUの井上氏(右)と柳沼氏(左)

 「プログラムを考える際、現地に滞在しながらリサーチを重ねることが不可欠ですから、Wi−Fiなどのデジタル環境も整備されたこの施設の存在は助かります。地域の方は温かく迎え入れてくれ、分からないことがあれば、気軽に聞ける雰囲気があります。そうした官民挙げたサポート体制が充実しているのが、みなかみ町の魅力です」(井上氏)
 さらに、町には19年に、コトハバが運営するワーケーション合宿施設「WIND+HORN(ウインドアンドホルン)」がオープンしている。1日1グループ限定での利用となるこの施設は、屋内のワーキングコテージと屋外のキャンピングエリアから構成される。キャンピングエリアでは、谷川岳を望む心地よい環境の中で、テレワークやオフサイトミーティングもできる。首都圏のベンチャー企業が、経営会議やブレーンストーミングを行う場として、利用することが多いという。

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「WIND+HORN」のワーキングコテージの室内は、開放的で明るい空間の中でミーティングを行うことができる

 「ワーケーションに関する社会的な関心が高まり、多くの自治体がワーケーション環境の整備に力を入れつつあります。そんな中でみなかみ町の強みは、まだワーケーションという言葉すら一般的ではなかった頃から、先進的に取り組み、既にさまざまな知見も積み上がっていることです」と中山主任。
 みなかみ町は、社会的なワーケーションの拡大という追い風を得て、関係人口を増やし、地域の活性化を図ろうとしている。

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